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8月16日のまにら新聞から

農家を救えるのか

[ 696字|2004.8.16|社会 (society)|新聞論調 ]

上院の密輸調査

 消費者は密輸に文句を言わないが、密輸された大量の農産物は国内の農家をひん死のふちに追いやっている。合法的な手段で他国から輸入された農産物との競争にさらされ、すでに苦しんでいる農家に追い打ちをかける格好だ。上院は今、コメからタマネギ、ニンニク、野菜まで、やむ気配のない密輸の調査を計画している。しかし、あらゆる撲滅策が失敗に終わる中、上院に何ができるというのだろうか。

 農家は長年にわたり、密輸対策を講じるよう政府に求めてきた。だが、密輸品は生鮮市場やスーパーマーケットの棚に堂々と並べられており、大物密輸犯が逮捕されたり起訴されたりしたことはいまだかつてない。上院農業・食品委員会のマグサイサイ委員長はこのほど、密輸されたタマネギの入ったコンテナ車百六十台が関税局管轄区域内にあると暴露したが、他にどれだけの密輸農産物がそこにあるのか、想像もつかない。

 密輸品は時折、思い出したかのように摘発されるが、大.半はすいすいと港を通過する。もちろん、このような大規模な密輸は関税局が関与しない限り不可能で、政府高官も黙認しているからこそできる。われわれが知る限りどの政権でも、下はイワシの缶詰から上は高級車まで、密輸を取り仕切っているとみられる影響力のある人物が何人かいた。複数の政権下で密輸にかかわっているとみられる者もいる。

 密輸犯が起訴されて有罪を言い渡された前例がないので、われわれの密輸に関する認識がどれくらい正しいのかは分からない。しかし、生計を農業に頼る多くの地域社会が密輸で壊滅的な打撃を被っているのは確か。上院の調査が掛け声だけで終わらないよう祈りたい。(10日・スター)

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