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6月21日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 490字|2004.6.21|社会 (society)|ハロハロ ]

 選挙報道の中で候補者の当落判定ほど神経をすり減らす作業はない。日本の国政選挙の場合、即日開票が基本なので、報道各社はいかに早く当選者数をぶち込むかに勝負をかける。各候補者の最終得票数は翌日未明までにすべて判明、非情にも間違えば結果はすぐ出る。選挙報道は長期間、周到に準備を重ねた上での各社の命運をかけた戦場となる。

 国の制度が違うので比較しても無意味と思うが、それにしても比大統領選の開票作業の遅れは異常と映る。開票が始まって四十日経過しても、まだ当落の公式発表ができない。その中で日本の報道機関は民間団体の開票速報をもとに開票一週間後に早々と「アヨロ大統領当選」と相次いで報じた。読者は既にアロヨ氏に決まったと受け止めている。

 長引く大統領選集計に業を煮やしたのか、比社会に大きな影響力を持つマニラ大司教が政治家を痛烈批判した記事が載った。「自分たちの愚かさにより自壊させた方が国のためになる」と述べたというから、穏やかではない。アロヨ大統領の任期切れも迫った。当選者決定までの世界記録を打ち立てようとしているという政府関係者の比ゆ発言が現実味を帯びてくる。(富)

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