忍耐超える選管体制
統一選挙の教訓
今回の全国統一選挙では有権者や選挙に駆り出された教師やボランティア、警察官らは忍耐強さが試された。中央選管はその尊大さ、何を優先すべきかの認識の欠如により、一層激しい非難にさらされている。今や遺物と化したといえる。
政府や政治家はこぞって、混乱のない選挙であったとし、迅速な開票による結果判明を待つとしている。しかし、中央選管が多額の費用を投入したにもかわらず、投開票を円滑にするための電算化システム導入に失敗。この無計画さが結果的に多くの投票所で選挙関連物資の不足や有権者名簿の記載漏れを招き、多数の有権者の選挙権が奪われた。
今回選挙権を奪われた有権者の数は、悪名高い一九八六年の選挙に匹敵する可能性がある。中央選管はもとより、民間選挙監視団体「ナムフレル」でさえ、一体、どれだけの有権者が投票の機会を奪われたかを証明できないだろう。寄せられた苦情の主たるものは、これまで幾度も投票経験があるにもかかわらず、有権者名簿に名前が記載されておらず投票できなかったケースだ。一方で、故人の名前が依然として名簿に記載されているケースが多々あった。
また、選管職員らのこうしたケースへの対応が極めて官僚的で、有権者側に立ったものではなかったという。選管側は反省の色を見せないばかりか、有権者非難を繰り返し、被害者である有権者の傷に塩を塗っている。
このような選挙は今回が最後であることを祈る。透明性のある手続きを経た投開票の電算化、選管職員の任命基準の厳格化は不可欠である。この気の毒な国の有権者は、いつまでも我慢し続けるべきでない。(12日・インクワイアラー)