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5月17日のまにら新聞から

いますぐ撤退せよ

[ 668字|2004.5.17|社会 (society)|新聞論調 ]

イラクのOFW問題

 イラク・バラドのアナコンダ米軍基地で就労中のフィリピン人男性が被弾して死亡した。アロヨ政権が事件の数日前にイラク国内で働く比人の安全について「基地内滞在だから問題はない」とした矢先である。しかし、いまや基地内でさえ安全ではない。大半のイラク人は、米英軍を侵略者と見なしているのである。

 米英の軍人がイラク人を虐待したことについて、いくら両政府の最高責任者が謝意を表明しても意味はない。イラクの比人は死の危機にひんしている。

 わが同胞がイラクで死に直面しているのを無視し、大統領選キャンペーンにうつつを抜かしていた比大統領をわれわれは非難する。

 基地内には待避用の地下ごうがあるため安全とされていた。しかし、地上で働く比人はどのようにして、急な攻撃に対処できるのか。比人犠牲者が出るやいなや、アロヨ大統領は米国に対し最高レベルの安全確保を要求し、「米国寄り」との批判をかわした。しかし、自国人の安全確保にきゅうきゅうとしている米軍にとって、下働きの比人の優先順位は高いとはいえないだろう。

 イラクへの侵略はイラク人を過激な行動に走らせ、米英軍と同じ側に立つ比人を危険にさらしている。一カ月六百ドルの月給は比人にとって良さそうに映る。しかし、死後の保障はない。家族のために命をかける比人だが、これでは割が合わない。

 比人就労者(OFW)の帰国のため、雇用期間短縮にともなう一人当たりの違約金五百ドルを政府は最低限肩代わりするべきである。総額は六十五万ドル。選挙キャンペーンに浪費するより、はるかに少額である。(14日・トゥデー)

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