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3月22日のまにら新聞から

ポー氏に貧乏くじ

[ 695字|2004.3.22|社会 (society)|新聞論調 ]

ギンゴナ氏の参加

 ギンゴナ副大統領は昨年、アロヨ政権に対する失望を表明して与党ラカスを離党した。一貫性と原則を重んじる進歩的学者、真摯(しんし)なジャーナリストなど知識層は、この決断に共感し、歓迎すらした。

 こうした人たちにとっては起きて欲しくなかったことがまさに起きた。副大統領は野党連合と手を組み、有名俳優のポー大統領候補の政策顧問となった。

 副大統領は与党を離党する時、今後は市民団体での活動を通じての政治・社会改革を行っていくと明言したはずだ。この国をむしばむ党派政治から距離を置いて五月の統一選を見守るものと受けとられ、彼の株はさらに上がった。

 与党と決別したからといって、他の候補に肩入れする必要はない。なのに、事もあろうに副大統領はポー候補支持を打ち出した。理念で一致点の多い前教育長官のロコ候補を支持する方法もあったのではないか。

 ポー陣営に入るための言い訳もまた支持者を怒らせた。「誠実で知性に富み、改革を実行できるリーダーを求めた。国民主体の改革で社会的、政治的、経済的な不公正の悪循環を断ち切る」と述べたのだ。

 褒めすぎである。ポー氏はギンゴナ氏の指摘したような知性を見せてはいない。ポー候補陣営の実態は統一性のない右派政治家どもの寄せ集めである。ポー氏は実権のないイギリス女王のごとく扱われ、ギンゴナ氏の声はその他の大きな力にかき消されよう。

 米国追随と現政権を批判してきたギンゴナ氏がポー陣営に参加したことで、米国の政治家らは再び大統領の座を狙うアロヨ氏の地位確保にさらに躍起になった。逆にポー氏にとってギンゴナ氏は貧乏くじだ。(16日・トゥデー、ルイス・テオドロ氏)

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