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3月15日のまにら新聞から

本末転倒の新制度

[ 689字|2004.3.15|社会 (society)|新聞論調 ]

プレートなし車両規制

 ナンバープレートのない車は公道を走ってはいけない。至極当然のルールを徹底する「新制度」が首都圏で始まったが、このような制度を導入しなければならなくなった要因や背景を考えてみたい。

 第一の元凶は、陸運局のプレート発給に時間がかかりすぎること。このため、新車を購入したドライバーは、本来新車登録などで移動するために発行された仮ステッカーをプレート代わりにしている。

 プレート自体のプレス加工はほんの数分間で終わるに違いない。では、なぜ発給に時間がかかるのだろうか。

 陸運局側は、首都圏や全国各地に散らばる陸運局地方事務所への配送手続きに時間がかかると説明しているようだが、遅れの最大要因は、発給が遅れるほど陸運局職員の懐が膨らむ汚職の構造だろう。

 ドライバーは一日でも早くプレートを手にしようと、職員にわいろを渡す。一台につき五百ペソ、年間十万台の新車登録があったとすると、少なくとも総額五千万ペソが職員らの懐におさまる計算だ。「888」など縁起のよいナンバーの発給を頼めば、わいろの額はさらにアップする。

 「ナンバーなし車両が犯罪集団に悪用されている。従って取り締まりが必要だ」という当局側の言い分は理解できる。しかし、プレート取得を容易にしてから取り締まりを進めるのが筋ではないか。本末転倒と言わざるを得ない。

 また、ナンバーのない警察車両やサイレンや赤色灯を装備した高級四輪車が、公道を堂々と走っている現実はどう説明するのか。「(高級四輪車の)オーナーは大統領専任美容師の親類だから……」などという言い訳はもう聞き飽きた。(10日・スター、ハリウス・ボンドク氏)

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