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3月15日のまにら新聞から

各国外交団と国民

[ 698字|2004.3.15|社会 (society)|新聞論調 ]

前大統領の残した教訓

 エストラダ前大統領の最大の過ちは、国際社会の声を重視するがあまり、人民主義者たる自身の信条を捨てたことだろう。人民主義者、ナショナリストとして行動していれば、石油元売り大手ペトロンを再国有化し、外資へのボニファシオ国軍基地転売を阻止できたかもしれない。

 現実には、労働者や農民団体の声を無視し、土地所有や資源開発などで比国民の利益を保護している憲法条項の改正さえ試みようとした。民衆の圧倒的支持を裏切り、ナショナリストから半端なグローバリストへの転身を図ったため、政敵につけ込むすきを与え、「エドサ2」という手痛いしっぺ返しを受けた。

 野党連合大統領候補のポー氏は、過ちを繰り返さないためにも、前大統領の残した教訓を学ぶべきだ。各国の駐比大使らは、ポー氏の信条や施政方針を知ろうと接触を試みているようだが、ポー氏は外交団の動きを当面無視すべきだろう。

 なぜか。大使らは「国際社会の声」を背に、治安向上や反政府組織との和平実現、汚職一掃などを比の歴代政権に迫ってきたが、これら要望の真意は自国権益の保護・拡大にあるためだ。比国内において、自国の投資家らに安全かつ自由、効率的に利益を上げさせること。大使らの狙いはこの一点に尽きる。比国民の窮状など頭の中にはないのだ。汚職撲滅を執ように迫る大使には「自分たちの国の封建時代を思い返せ」と言い返してやればよい。

 変化を切望する国民は、「ポー氏が、抑圧された生活を変えてくれる」と期待している。自国民の権益しか考えない大使らと同様、ポー氏も比国民の利益・保護だけを直視しながら突き進めばよい。(11日・トリビューン、アレハンドロ・リチャウコ氏)

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