ハロハロ
阪神タイガースを十八年ぶりの優勝に導いた星野監督が引退した。「縦じまを着た者の労苦は着た者でないと分からない。二年間の監督生活だったが、五、六年にも思えた」。日本シリーズ後の記者会見でこう語った星野監督だが、あまりの潔さに阪神フアンをはじめ日本中のプロ野球フアンから惜しみない拍手が沸いた。
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引退といえば、衆院選挙が始まり中曽根元首相と宮沢元首相が政界を引退した。「功成り名を遂げた」両氏だが、宮沢氏が小泉首相の自民党定年制の要請を受けて、すんなり引退表明したのに対し、中曽根氏は「断固、小選挙区から立候補する」と反発した。比例区終身一位の党決定を盾に小泉執行部に抵抗したが、決定は覆せなかった。
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引退勧告を受けたが、辞表提出を拒否して解任されたのは日本道路公団の藤井総裁。公団民営化を進める上で、ふさわしくないというのが解任理由だが、藤井氏は公聴会で国土交通省と激しく対立、今後は法廷闘争も辞さないという。人の引き際は難しい。星野監督のさわやかさが、ひときわ引き立ったそれぞれの引退劇だった。(富)