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3月31日のまにら新聞から

身勝手な米国の行動

[ 704字|2003.3.31|社会 (society)|新聞論調 ]

イラクでの戦争

 私たちはイラク戦争で殺害された兵士や民衆、おびただしい数の避難民、完全に倒壊した建物などの恐ろしい映像を米CNNテレビで見ている。ブッシュ大統領はこれらを目にしても国連や世論に背を向け、一方的なイラク攻撃を急がずにはおれないのだろうか。

 私たちはこの戦争の矛盾を感じている。ブッシュ大統領は、イラク戦争に反対する国連や世論の訴えに耳を貸さないのに、なぜ米兵に対する人道的な扱いや戦争捕虜の人道的待遇を定めたジュネーブ条約の順守を要求するのか。

 ブッシュ大統領は国連の意思の裏をかき、遺憾なことに国連という国際組織を無意味な存在にしてしまった。米国とその同盟国である英国やスペインは、ある国が冷酷な犯罪者によって治められていると判断すればいつでも、その国を侵略する権利を有すると考えているようだ。彼らにとって国連は何の役に立っているのだろうか。

 しかし、勝利は権力と軍事力によりもたらされるとは限らない。米国は抑圧者からの自由を求めたベトナム戦争で屈辱的な敗北を経験している。武器では劣っていたが、密林地帯の知識を身につけていた南ベトナム解放戦線のゲリラ兵は米国の解放軍を追いやったのだ。

 私たちは米国の戦車やミサイルといった高性能兵器を米CNNテレビで目にしているが、米国が主張するイラクの大量破壊兵器の映像はいまだ現れない。

 私たちは世界が戦争支持派と反対派に分かれ、アラブ諸国が米国主導の戦争に対し激しく反発しているのを見ている。この戦争は いつ終結を迎えるのか分からない。第三次世界大戦にエスカレートしないかどうかを懸念するだけだ。(25日・スター紙・ドミニ・M・トレビリャス氏)

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