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3月31日のまにら新聞から

殺される女性たち

[ 731字|2003.3.31|社会 (society)|新聞論調 ]

避妊と人口問題

 女性達は健康を手に入れるために否応なく戦わされる。貧困のなかで生まれる子どもも同様だ。

 国連によると、フィリピンは妊婦死亡率が最も高い国の一つだ。十万人中百七十二人の妊婦が妊娠に関連して死ぬ。先進国では三十三人だ。また、乳幼児死亡率が東南アジアで最も高い国の一つでもある。千人中三十五人が一歳未満で、四十八人が五歳未満で死ぬ。先進国のほぼ倍だ。

 この国の指導者はほとんどが男性で男性主義者だ。妊娠の危険性など知るよしもない。一方で女性は教会の避妊禁止に従うよう「運命」づけられてきた。医学的見地から言えば、妊娠の間隔を空けて健康を回復することが女性には不可欠なのだが。

 今日ほど人口爆発が問題化したことはない。しかし、ブラジルはフィリピンと同様カトリックの影響が強いが、生殖に関する権利や性感染症を防ぐ制度を確立してきた。

 現在、性と生殖に関する法案が上下院に提出されている。しかし教会はこれを「中絶肯定、子どもの生きる権利の侵害」として反対キャンペーンを展開している。これらの法案は家族の人数を決定する権利を尊重するものだ。低開発の原因となる人口増を緩和することが可能だ。

 この国の人口は八千万人。三十年後は一億六千万人に達する。経済発展が人口増に追いつかない限り未来はない。貧困は人を殺す。教条的な聖職者の教えを共有すべきではない。聖書に避妊を禁じる条項はないし、他にいかなる根拠も見当たらない。人口対策のような国家的問題について教会は干渉すべきではないとする聖職者もいるのだ。

 私たちがこれら根拠なき迷信に打ち克つまで、さらに多くの母親や乳幼児が偏狭と無知に殺される。その破壊力は米国の大量破壊兵器にも匹敵する。 (25日・ビジネスワールド)

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