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12月11日のまにら新聞から

「公平な評決を」

[ 560字|2000.12.11|社会 (society)|新聞論調 ]

弾劾裁判初日に思う

 エストラダ大統領の弾劾裁判の初日、フィリピンは国としての機能を堅持した。貧富の差にかかわらず全国民は、テレビやラジオの中継を通して上院に設置された弾劾裁判所での共和国史上最大の政治イベントを始終、知ることができた。

 一九八六年二月のエドサ革命のように国民一人ひとりが国の将来のために今回の政治危機を克服しなくてはならない。無意味で心ない暴動など、国民の分断を促すような事態を起こしてはいけない。

 全国統一選挙は数カ月先に迫っている。候補者が今回の弾劾裁判を利用するようなことだけは避けるべきだ。弾劾裁判が終わるまで誰もが口を閉ざすべきだ、という意見もあるようだが、それは言論の自由の原則に反する。

 神への祈りは無害だ。大統領が自らの運命は神に預けたと語るように、神に祈りを捧げることで、われわれが乗り越えなくてはならない苦難は少しは和らぐことだろう。

 大統領の弾劾裁判は、終結まで大々的に報道される。エストラダ氏の去就は決まる。どちらにしても、私たちが出来ることは、平穏な生活に戻るためにできるだけ早く裁判が終わることを願うだけだ。

 大統領という職務は最も辛く厳しい。エラップと呼ばれる男に評決が下る日は近い。彼がわが国のトップであることは間違いなく、公平な評決が出ることを望む。それ以外の選択肢はないのだ。

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