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7月17日のまにら新聞から

戦災地の開発復興急げ      

[ 613字|2000.7.17|社会 (society)|新聞論調 ]

MILF本拠地制圧

 国軍によるイスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)の掃討が最大軍事拠点のアブバカール基地の制圧をもって終了した。政府がMILFとの和平交渉を続けながら、国軍は今年三月以降、ミンダナオ島各地のMILF拠点を攻撃してきた結果だ。

 MILFは国軍の攻勢に対し、当初は各地で爆弾テロを展開したが、その後、守勢に立たされる一方だった。戦闘で兵士、ゲリラ双方とも多数の死傷者を出した。

 六月三十日を和平交渉の期限と設定していたエストラダ大統領は、MILF側に期限延長の条件として、暫定合意と武装解除の二条件を突き付けた。条件を受け入れない場合は、最大軍事拠点への攻撃を辞さないと明言していた。

 同基地を制圧した今、拠点奪還を目指すゲリラの反撃に備えることも大切だ。ゲリラ側は再び結集し、テロ行為を起こす可能性が高い。これで、政府とイスラム教徒反政府勢力との交戦が完全に終わったわけではない。

 また、同島の問題は武力紛争だけにとどまっているわけではない。重要なことはイスラム教徒への貧困解消策だろう。同島での反政府活動はイスラム原理主義に基づくというよりも、貧困を原因に増幅してきたとされる。

 軍事的勝利は果たしたが、これは「不安定な平和」に過ぎない。

 開発こそが、イスラム教徒に「反乱」の必要がないことを悟らせる最善の策だ。同島に恒久的平和をもたらすためには、今こそ、戦災地の速やかな復興、同島開発に着手すべきだ。

社会 (society)