殺人犯保釈の引責
イタリア人神父を惨殺、脳みそを食べたとされるノルベルト・マネロ元服役囚が再び刑務所に収監された。昨年十二月にエストラダ大統領から恩赦を与えられた彼は、一九七七年の南コタバト州での殺人事件の被告としてサランガニ州の地方刑務所に収容された。
目撃者によると、その時の被害者もまた人肉食の犠牲になったという。最近名乗り出た証人は「マネロ一味は被害者の肝臓をスライスし焼いて食べた」と証言する。
マネロの恩赦が公になったのは先月のこと。教会関係者やメディア、国民の反発に遭い、クエバス法相の解任を招いた。だが、保釈を勧めたリワグ法務次官をはじめ恩赦委員会の誰一人として解任されていない。このことが大統領の友人ルシオ・タン氏への脱税訴追とマーク・ヒメネス氏の米国への身柄引き渡しを促進しようとしたのが法相解任の理由とすることに信ぴょう性を与える。
神父殺害に関しては多くの規定違反にもかかわらずマネロの恩赦は与えられたままだ。恩赦担当者は法務省が逮捕令状を出すまで居場所さえ知らなかった。マネロは国家警察長官への出頭時も、「警護の依頼にきた」と言い放った。
マニラでは、ベンツで高級ホテルに案内された。国民はその出費を誰が賄ったのかを知らずにいる。
マネロへの関心が薄れ、関係政府職員らも許されつつある。恩赦リストにマネロを加えたザモラ官房長官は大統領に辞任を留意された。法相は監督責任ではなく、大統領との関係を問われたのである。(3日・インクワイアラー)