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3月6日のまにら新聞から

インサイダー取引問題

[ 607字|2000.3.6|社会 (society)|新聞論調 ]

 株価が一日で七九ポイントも下落し十五カ月ぶりの安値を記録した。株仲介業者の間では、ベスト・ワールド・リソーシーズ社(BW)のインサイダー取引疑惑が、外国人投資家の資本引き揚げの引き金という見方がもっぱらだ。上院の公聴会で議員らは、フィリピン証券取引所(PSE)によるBW調査で、なぜ大物取引業者が調査から除外されたか首をかしげた。  

 市場のいらだちは通貨ペソの下落も招いた。だが、エストラダ大統領はミンダナオ島で、「市場の値動きは平常。いずれ回復する」と表明。PSEのユロ所長も資本逃避を軽視する。バリカン大統領特別報道官はアジア全域での通貨安、株安に言及し「外的要因が主」と言う。BWスキャンダルの影響も認めるが、報道官が見落としているのは、過去一年間アジア域内の証券取引ではフィリピンが最も低調だったことだ。 

 株価下落を軽視する大統領は昨日、「投機的な資金は不要」と発言した。大統領は資金の流出が事業計画を不安定にし、証券市場の信任喪失につながることを知るべきだ。

 ある証券市場関係者は「経済指標が健全な中での株価下落は、九七年の通貨危機当時より深刻」と言う。問題は楽観的な大統領の声明では解決しない。証券取引委員会の大胆な改革、政府職員や企業幹部の心構えの変革が不可欠だ。政府が真に証券市場を守ろうとするなら、BW疑惑調査を急ぎ、事実を解明して罰すべき者を罰することである。(1日・スター)

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