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1月17日のまにら新聞から

犯罪者にも人権あり

[ 581字|2000.1.17|社会 (society)|新聞論調 ]

リム新自治相就任で

 犯罪の容疑者にも人権はある。刑務所に収容されている確定囚にも人権はある。なぜなら、わが国の憲法がそう定めているからだ。

 基本的人権を定めた憲法の第三条第一節はこう始まる。「何人と言えども適切な法手続きなくしてその人生、自由、所有物を奪われることはない。また、何人にも法の保護は平等に与えられる」

 人権侵害が取りざたされている警官には憲法全文とは言わないが、せめてこの第三条だけは暗記してもらいたい。

 アルフレッド・リム前マニラ市長が今回の閣僚再編で、国家警察を監督する自治相に就任した。しかし、彼には人権意識が著しく欠けているようだ。

 「私は犯罪者の人権を侵害したことはあるが、善良な市民の人権を犯したことは一度もない」。リム新自治相の就任演説だ。

 閣僚任命を承認する議会の任命委員会のメンバーであるロコ上院議員らは「犯罪者の人権を侵害したことを告白したリム氏には、警察組織の上に立つ自治相に就任する資格はない」と述べている。

 リム氏は首都圏警察西部本部、国家捜査局長官を経てマニラ市長に就任、計四十七年間も公僕として生きてきた。「ダーティーハリー」の異名で市長時代には麻薬犯罪の容疑者宅に赤スプレーを吹き付けるなど強硬手段で犯罪撲滅を目指した。

 だが、大切なのは逮捕された容疑者、公判中の被告にも人権があるということである。(13日・タイムズ)

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