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1月17日のまにら新聞から

治安悪化は深刻か

[ 625字|2000.1.17|社会 (society)|新聞論調 ]

海兵隊導入問題

 マルコス政権の戒厳令下、政府は報道機関や左派系市民団体の事務所に国軍兵士を配備し、反政府勢力の鎮圧に努めた。しかし、ショッピングセンターなどに海兵隊を配置することは、あのマルコスですらやらなかったことだ。

 エストラダ政権は一体、何を考えているのだろうか——。

 一月十日、海兵隊五百人が首都圏の主要地区に配置された。メルカド国防相によると、国家警察の治安維持活動を支援するためで、ラクソン国家警察長官は「治安問題を懸念する経済界からの強い要請」と説明した。

 だが、国家警察はこれまで、首都圏に暗躍する犯罪組織の大半を壊滅させた、と発表してきたのではなかったか。新聞を読んでも誘拐や銀行強盗など凶悪犯罪が一面トップを飾ることは少なくなっている。ましてやショッピングセンターや空港などを舞台にした凶悪犯罪の発生はよほど記憶力が良くないと思い出すことすら難しい。

 こんな中、新人民軍(NPA)やモロ・イスラム解放戦線(MILF)の反政府ゲリラは町役場の占拠や国軍、警察関係者をら致するなどミンダナオ島などで活動を活発化させている。南シナ海では中国漁船の領海侵犯が話題になった。

 海兵隊はこのような危機に対処すべきではなかろうか。道路の違法横断(Jウォーク)摘発やショッピングセンターにたむろするスリ、若者の売春などを取り締まっている場合ではない。憲法によると、国軍兵士の公共地域への導入は暴動など非常事態に限られる。(12日・インクワイアラー) 

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