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1月21日のまにら新聞から

米空母打撃群と共同活動 今年初、南シナ海で中国けん制

[ 894字|2025.1.21|政治 (politics) ]

米空母打撃群が米政権交代直前に比国軍と南シナ海で共同訓練を実施。中国をけん制

米空母「USSカールビンソン」の飛行甲板を発進するF18ホーネット=在比米国大使館が公開

 比国軍は19日、比米軍が17日から19日にかけて今年初となる比米軍の海上共同活動(MCS)を南シナ海パラワン州周辺で実施したと発表した。米軍はニミッツ級空母「USSカールビンソン」(332メートル)を旗艦とする空母打撃群、比軍はミサイルフリゲート艦「BRPアントニオルナ」(107メートル)、哨戒艦「BRPアンドレスボニファシオ」(115メートル)を投入した。また、米軍は多用途戦闘機「F18ホーネット」2機、輸送機「V22オスプレイ」などの航空機を、比空軍も戦闘機「FA50」2機などを投入し、空域での訓練も実施した。

 中国が2012年に占拠したスカボロー礁西沖のパナタグ礁(英名スカボロー礁)を中心に比排他的経済水域(EEZ)内での巡視船展開を常態化させる中、米国の政権交代直前に比米が結束して中国の海洋進出をけん制した格好だ。

 比国軍によると、両国の海軍艦は通信訓練、戦術運動などを実施。上空では異種航空機戦闘訓練などを行った。2023年に始まった比米MCSは今回で5回目となる。

 カールビンソンのマシュー・トーマス艦長は声明で「この地域での二国間演習は規模、範囲、複雑さが増しており、われわれ地域の安定を維持し、抑止力を強化する共同作戦に参加できることを誇りに思う」と述べた。

 比国軍のブラウナー参謀総長は声明で、「このMCAは、防衛協力を強化する取り組みの重要な要素。演習のたび、対応能力を向上している」と説明。「これは、比の国益を守り、平和な地域を確保するための共通のコミットメントと相互努力の結果だ」とした。

 ▽モンスター船は交代

 比沿岸警備隊(PCG)のタリエラ報道官は20日、サンバレス州沖60~70カイリに展開していた中国海警局が保有する世界最大級巡視船「海警5901」(165メートル)が比沿岸から95カイリの距離に遠ざかったと発表した。一方、別の巡視船「海警3304」(111メートル)が交代に比沿岸から65カイリの海上に進入した。

 海警局船は引き続きPCG船「BRPガブリエラシラン」(83メートル)が監視している。(竹下友章)

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