水資源確保が急務 迫られる現政権の対応
首都圏の広範囲で暑さ指数が急上昇し、水の供給が断続的になる中、フィリピンはホーリーウィークを迎えた
首都圏の広範囲で暑さ指数が急上昇し、水の供給が断続的になる中、フィリピンはホーリーウィーク(聖週間)を迎えた。気象学者らは今年強いエルニーニョ現象が発生し、乾季が長引く可能性があるとして警鐘を鳴らす。
2019年にはエルニーニョ現象の影響で、首都圏の主要な水源であるアンガットやイポ、ラメサのダム水位が低下したほか、リサール州カルドナ町の水処理施設の開発遅れのため、首都圏東部で水不足が発生。供給量は不十分で、水の濁り具合から浄水も必要だった。
それ以来、主要水道会社の2社は国内で最も人口が密集する首都圏への供給に向けた新たな水源確保の緊急性を訴えてきたが、4年が経つ今も水資源開発に動きはないと指摘する。
首都圏の水源を補完するため、ラグナ湖とマリキナ川が限定的に利用されるようになったものの、ダムの供給と比べ、沈殿物や汚染がひどく、より多くの処理が必要となる傾向がある。
乾季に入り、首都圏水道局(NWRB)はマニラ水道会社とマイニラッド水道会社の2社に対して、ダムからの供給量を従来の毎秒48立方メートルから毎秒50立方メートルに増量することを承認した。
NWRBは1979年以来、ライバンダム建設事業を軌道に乗せようとしてきた。しかし、ライバンダムやカリワダムは環境問題や先住民の反対など社会的な懸念に直面し、動きが鈍っている。マルコス政権はこれらの問題と向き合い、水の安全保障確保に向けた、水源の早急な開発を迫られるだろう。(6日・スター)