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5月11日のまにら新聞から

ボンボン支持者ら「勝鬨」 中央選管前では抗議集会も

[ 1176字|2022.5.11|政治 (politics) ]

投票日の翌日、ボンボン候補の支持者らが同候補の選挙本部に集まり勝利を祝う

ユニチーム本部前に集合した支持者=10日午後6時ごろ、首都圏マンダルーヨン市で竹下友章撮影

 9日投票の大統領選でボンボン・マルコス候補が過去最大の得票数(速報値)で当選する可能性が濃厚となった10日、首都圏マンダルーヨン市のユニチーム(ボンボン、サラ両候補ペア)本部前では支持者が集合し、勝鬨(かちどき)を挙げた。一方、マニラ市イントラムロス内の中央選挙管理委員会本部ではユニチームの当選に疑問をもつ団体が詰めかけ公正な集計を求める抗議集会を行った。

 ユニチーム本部の前に集まった支持者はボンボン氏のシンボルカラーの赤い服装に身を包み、道路に向け比国旗を振りながら「勝利」を祝福。それに共鳴した通りがかりの車はクラクションを鳴らして応じた。

 ▽親の記憶とSNS

 首都圏マニラ市トンド地区から本部に来たル・ルンブレさん(44)は、ユニチームを支持する理由について「2人は庶民の暮らしを改善する政策と強い意思を持っている。そして誤った歴史観を正すことができる政治家だ」と述べた。

 「正しい歴史」についてルンブレさんは「小さい頃からマルコス期の方が暮らし向きがよく、日本を含む他のアジア諸国と比べてもよりいい国だったと両親から聞かされた」と語った。

 また「戒厳令下でも報道の自由はあった。昔の情報源は新聞やテレビだけだったため『エドサ革命の物語』をみな信じたが、現在はSNSのお陰で真実を知ることができる」とした。

 親から語り継がれた記憶とSNSからの情報の符合を経験したことが、ルンブレさんの「マルコス黄金期史観」の形成要因だったようだ。

 また、リサール州アンティポロ市から来たエド・カスティーリョさん(27)とガールフレンドのニッキーさん(29)は、ユニチーム支持理由について「連帯」と回答。

 ユニチームを支持し始めたのきっかけは所属する宗教「イグレシア・ニ・クリスト」が支持表明をしたからで「個別の公約を検討したわけではない」。しかし「『連帯』が比の国家的課題を解決するはずだ」と胸を張った。

 ▽「公正な集計を」と抗議

 同日、中央選管本部では、女性政党ガブリエラ、左派政党カバアタン、労働組合系政党アナックパウィスらが抗議集会を行った。

 参加者は「神とわれわれは中央選管を見張っている。公正で、正確で、平和的な選挙を」と声を挙げた。一部は「マルコス(大統領候補)とドゥテルテ(大統領)は不正選挙をしている」と訴えた。

 首都圏警察によると、両方の集会の参加者は「推計400人」。しかし、まにら新聞が取材した午後6時時点でユニチーム本部の参加者数は多めに見積もっても100人程度だった。

 得票数の速報値は、投票数の監視を行うカトリック系NGO「PPCRV」が、中央選管から提供されたデータに基づき公表しており、あくまで「非公式」。公式集計結果は遅くとも6月までに出る見込み。(竹下友章)

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