比海域法にマレーシアが抗議 サバ州の領有権めぐり
マルコス大統領が署名して制定された比海域法が主権領域を侵害しているとしてマレーシアが抗議
マルコス大統領が8日に比の主権・主権的権利・管轄権が及ぶ海域を規定する比海域法などを署名したのを受け、マレーシア政府は15日、同法が自国の主権領域を侵害しているとして外交文書を送り、抗議した。マレーシアのモハマド・アラミン外務副大臣が同日に表明した。17日付け英字紙スターが報じた。
アラミン外務副大臣は15日、国会で現地記者のインタビューに対し、比海域法がボルネオ島北部のサバ州におけるマレーシアの領有権に侵入する内容を含んでおり、国際的にも認知されている1979年に確定されたマレーシアの主権が及ぶ領域を侵害しているとして抗議したことを明言している。
フィリピン政府は、かつてスルー諸島などを支配していたイスラム王国の領域の一部だったとしてサバ州の領有権を長年にわたり主張しており、今回の新しい比海域法でも同様の主張を含む資料の出典が法律に盛り込まれていると専門家が指摘している。
比海域法の制定については、中国政府も即日に駐中国フィリピン大使を召喚し外交上の抗議を提出。中国外務省は「南シナ海仲裁裁判の違法な判断を国内法で固めようとしている」と断固反対すると宣言した上で、10日にはサンバレス州沖のパナタグ礁(英名スカボロー礁)周辺の領海基線を確定したと発表したばかり。