パグアサ島に比国旗立てる ラクソン、エレアザール両氏
大統領候補のラクソン氏、上院議員候補のエレアザール氏がパグアサ島に比国旗立てる
中道左派の民主改革党(レポルマ)=上院1、下院1議席=公認候補として大統領選に立候補しているラクソン上院議員、同党から上院選に代理立候補しているエレアザール前国家警察長官らは20日、南沙諸島(スプラトリー諸島)の中で比が実効支配するパグアサ島を訪問し、フィリピン国旗を立てた。22年統一選挙の大統領候補、上院議員候補としては最初の訪問者となる。
同島の周辺海域は今年中国船の集結や比記者船への妨害行為で問題となっていた。現政権の対応には「弱腰」との批判も多い。大統領選世論調査で泡沫候補化しているラクソン氏には、領土問題で強い姿勢を示すことで存在感をアピールする狙いがありそうだ。
両氏はプライベート機を利用。アルバレス総裁、フバヒブ幹事長、アセディリョ党報道官らも同乗した。上陸前、中国海警局の艦船から「中国の防空識別圏に近づいている。直ちに引き返せ」と無線で警告を受けたという。
ラクソン氏らは午前9時10分に上陸してすぐ、持ち込んだ新しい国旗を古い国旗と交換する儀式をとり行った。その後、島民・漁民らと懇談の機会を持った。
アセディリョ報道官は「中国の力による現状変更の脅威に動じず、領域と主権を守り抜くという決意を込めた象徴的な行動だ」と述べた。(竹下友章)