ドゥテルテ氏政界引退表明 副大統領にはゴー氏が立候補
ドゥテルテ大統領は2日、政界を引退することを表明
ドゥテルテ大統領が2日、22年6月末の大統領任期を最後に政界を引退することを表明した。副大統領選への立候補も取り止め、代わりに「側近中の側近」ボン・ゴー上院議員が副大統領選へ立候補届け出を行った。2日の英字紙スター電子版など比各メディアが報じた。
大統領は「国民の多くは私が副大統領選に出る資格がなく、副大統領になることが憲法の抜け穴を利用する行為だと思っている。国民の意思に従いたい」とし、立候補断念を宣言、「きょう、ここに政界からの引退を表明する」と述べた。
9月の世論調査では、比国民の6割、大統領支持者でも過半数がドゥテルテ氏の副大統領選立候補を「憲法の趣旨に反する」と考えているとの結果が出ており、副大統領候補としてもソット上院議長に11ポイント差をつけられ2位に転落していた。
同日、最大与党PDPラバンから大統領公認候補指名を受けながら立候補を固辞し続けていたボン・ゴー上院議員が、副大統領選への立候補を届け出た。大統領との共同会見では「経済と雇用を回復し、貧困問題に取り組みコロナ禍を乗り越えたい」とし、違法薬物撲滅政策、汚職との戦い、積極的な公共事業など「ドゥテルテ政権の政策を引き継ぐ」と誓った。ただし、9月の世論調査で副大統領候補としてのゴー氏の支持率は7%と5位に留まっている。
▽サラ氏は市長に?
一方、「国政にドゥテルテは1人」「父が立候補するなら自分は大統領選に出ない」としていた娘のサラ・ダバオ市長に大統領選立候補の「お膳立て」が整った格好だが、サラ氏は同日午後4時ごろ、選管事務所に次期ダバオ市長選への立候補を届け出た。ABS?CBN電子版が報じた。
サラ氏は9月の大統領候補支持率調査でも20%とトップを維持。選管は8日まで立候補を受け付けるが、届け出の取り消しは可能。11月15日まで所属政党候補の代理も受け付ける。
父のドゥテルテ氏は前回の大統領選で「大統領になるくらいなら死を選ぶ」と立候補を拒み続けながら、11月に所属政党候補の代理の形で立候補していた。(竹下友章)