サラ氏が出馬意向を示す 22年大統領選 記者団に「イエス」と明言
サラ氏がセブ州知事と面会した際、来年の大統領選への立候補意欲を明確に示した
来年5月の大統領選の最有力候補とみられているサラ・ダバオ市長は9日、セブ市でガルシア・セブ州知事と面会した際、メディアのインタビューに対し、大統領選への立候補を目指す姿勢を明らかにした。「最終的な決断はまだ下していない」としながらも、父親のドゥテルテ大統領の当選にも大きく貢献したとされる大票田のセブでの高い支持率を実感し、大統領選への出馬意向を固めたとみられる。10日付英字紙スターが報じた。
サラ氏は9日にガルシア知事を訪れ、密室で2時間にわたり会合を持った。空港運営やセブ州博物館についてなど軽い話題で終始し、来年の選挙に関する話はしなかったと同氏は説明している。しかし、記者団のインタビューで来年の大統領選に立候補する考えについて聞かれた際には、「イエス」と出馬意欲を明確に示した。 また、近いうちセブを再び訪れ、自身が代表を務める地方政党「改革党」幹部を同行させて、支持者らと会合を持つと明言、来年の大統領選に向けた動きを本格化させる姿勢を示した。
フィリピン大の研究者を中心とするОCTAリサーチの世論調査部門が今年1月26日から2月1日にかけて実施した全国の成人1200人を対象とした次期大統領候補の人気度調査では、サラ氏が全体の22%の支持を受けてトップだった。2位は13%の支持を受けたグレース・ポー上院議員で、パッキャオ上院議員とボンボン・マルコス元上院議員がともに12%で3、4位を占め、モレノ・マニラ市長も11%で5位につけていた。この調査でサラ氏の地域別支持率は出身地のミンダナオ地方で48%と最も高かったが、セブを含むビサヤ地域でも20%の支持を獲得しており、首都圏(同17%)や首都圏を除くルソン地方(11%)での人気の浸透の遅れをカバーしている。
▽サラ—パッキャオなし
一方、ドゥテルテ大統領を来年の副大統領選の党公認候補に担ぎ出す党員集会を5月31日にセブ市で開催するなど、サラ氏—ドゥテルテ氏の父娘タッグの実現に向け奔走していたとみられる最大与党PDPラバンのクシー副総裁(エネルギー相)ら幹部3人が9日にパッキャオ氏率いる党役員会から除名処分を受けた。これを受けて、同党幹部のピメンテル上院議員は10日、ラジオ局のインタビューに対し、パッキャオ党総裁代行とサラ氏が正副大統領選でタッグを組むという考えについて「党としては可能性は低いだろう」と否定した。同党に属さないサラ氏を党公認候補にすることを改めて否定した発言だ。ピメンテル氏によると、パッキャオ氏は8月21日にボクシングの世界統一戦を終えた後、9月にPDPラバンの全国党員会議を招集し、来年の統一選挙に向けた党の方針を確定させる予定だという。(澤田公伸)