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7月8日のまにら新聞から

ドゥテルテ氏 出馬濃厚に 党幹部前に「真剣に検討」

[ 1063字|2021.7.8|政治 (politics) ]

ドゥテルテ大統領が副大統領選出馬を『真剣に検討している』

中国を2人で訪問した際のドゥテルテ大統領(左)と娘でダバオ市長のサラ氏(中国・海南省)=2018年4月(AFP=時事)

 ドゥテルテ大統領は6日夜、来年5月の正副大統領選で副大統領候補として出馬することについて「出ることは可能だ。真剣に検討している」と最大与党PDPラバン幹部の前で述べた。ドゥテルテ大統領が名誉総裁を務めるPDPラバンは、5月末の党大会でドゥテルテ氏を副大統領候補とする決議を既に採択しており、ドゥテルテ氏が前向きな姿勢を表明したことで出馬は濃厚になった。

 ドゥテルテ大統領は今月1日にも「空きがあれば、私も次期副大統領候補の1人」と自ら表明。これまでは下院議長選出で紛糾した際に仲裁の労を執ったロムアルデス下院与党院内総務との約束として、同氏が副大統領に立候補する場合は「私は出ない」と言い続けてきたが、ロムアルデス氏は既に「ドゥテルテ大統領の副大統領選出馬を支持する」と自身の立候補を否定している。

 PDPラバンはペアを組む大統領候補を誰にするかについて、ドゥテルテ氏に一任するとしており、党内の下馬評では側近中の側近であるボン・ゴー上院議員を選ぶとの見方が強い。娘でダバオ市長のサラ氏と組む可能性も残されているが、サラ氏は「世襲政治」と批判されることを意識してか、父娘での出馬を現段階では否定。大統領選への出馬表明自体もまだ行っていない。

 PDPラバン内では、国民的英雄であるボクサーのマニー・パッキャオ上院議員も出馬に意欲を見せているが、PDPラバンはパッキャオ氏が米国でのボクシング復帰戦で不在中の今月17日に党大会を開く。

 党大会ではドゥテルテ氏の副大統領選出馬を正式決定、その際にドゥテルテ氏は後継の大統領候補を発表する可能性もある。

 PDPラバン総裁代理のパッキャオ氏は、党大会の開催を自身のボクシング復帰戦が行われる8月21日以降にするよう求めていた。

 パッキャオ氏は最近、新型コロナ対策としての支援金配布をめぐる政権内の汚職告発をしたことなどをきっかけに、ドゥテルテ大統領との亀裂が深まりつつある。

 ロケ報道官は6日「パッキャオ氏が優れているのはリングの上だけだ」と発言。政治家としては評価していないことを露骨に伝えている。

 一方、パッキャオ氏の側近は「それでもパッキャオ氏は大統領選に出る」と明言しており、PDPラバンから離党して独自の政党を組織する可能性が高い。

 10月1日の立候補届け受付まで、さらに紆余曲折がありそうだが、与党陣営はサラ氏とそのペア、ドゥテルテ大統領とそのペア、パッキャオ氏とそのペアの3組が出馬、与党候補乱立となる可能性も出ている。(石山永一郎)

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