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7月4日のまにら新聞から

真実語り最良の敬意を アキノ前大統領急逝

[ 645字|2021.7.4|政治 (politics)|新聞論調 ]

 ノイノイ・アキノ前大統領の死はあまりに突然で衝撃的だった。税金以外でこの世にただ一つ確かなものは「死」だと言われる。アキノ氏は、引退後にもっと多くのことができただろう。しかし物事には理由がある。アキノ氏の人生の終わりを判断した神と宇宙に従うよりほかない。また、死は常に敬意を払うべき瞬間だと考えている。

 アキノ氏の死の政治的な意味を考えること自体は悪いことではない。これは妥当な考えであり、攻撃的なものではない。

 一方で不快なのは、彼の死は野党の不振を挽回するために計画された演出ではないかという、あまりにキリスト教的でない下品な考えだ。私たちがどれほど低レベルになり得るのかを示している。今や政界は修復不可能なほど毒されており、前大統領の死さえ暴言や分裂を一時的にも止めることはかなわない。

 しかし、死の悲劇には留意しなければならないことがある。真実でなく根拠がないのに死者の記憶を称えるような偶像崇拝により、記憶を党派的なフィクションに変えてはいけないということだ。根拠のない主張や真実でないことでおだてるのは、本人の記憶を傷つけるだけだ。アキノ氏側の党派が彼の死を利用し、大統領としての失敗を覆い隠し、歴代で最高の人物として映し出すことを懸念している。アキノ氏は最善を尽くし国に有意義な貢献をしたが、失敗や欠点もあった。

 死者に敬意を払う最良の方法は、公正に悪意なく真実を語ることだ。(6月29日・マニラタイムズ、 デラサール大政治学教授 アントニオ・コントレラス)

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