親子ペア出馬なしか サラ氏 報道官ともに否定
大頭領と娘のサラ市長が組んで立候補する可能性について、サラ氏自身らが否定
来年5月の正副大統領選でドゥテルテ大統領の娘のサラ・ダバオ市長が父を副大統領候補として立候補する可能性について、サラ氏自身とロケ大頭領報道官が相次いで否定した。
9日付英字紙トリビューンによると、サラ氏は記者団へのテキストメッセージで、ドゥテルテ大統領が以前に「大統領職は感情面で男性と違いがあると思われる女性の仕事ではない」と発言したことを挙げ、「大統領はすでに、女性であることを理由に私は(大統領に)ふさわしくないと言っている。ピリオド(以上)」と伝え、父と組んでの立候補を否定した。
ロケ大統領報道官も9日、ラジオ局DZRHのインタビューで、大統領
の次期副大統領選立候補について「サラ市長にかかっている。サラ市長が大統領選に出れば、大統領は副大統領選には出ないだろう」と述べた。
▽ドゥテルテ氏も否定
ドゥテルテ大統領も8日夜放映のテレビ番組で、来年6月の任期終了後について「政界から引退して故郷のダバオ市に戻りたい」とあらためて語った。
友人として知られるキリスト教系新興宗教団体教祖のアポロ・キボロイ氏の番組での発言で、サラ氏の大統領選立候補についても「先日、ダバオに戻った際、本人に大統領選に出るという過ちを絶対に犯してはいけないと伝えた」ことを明らかにした。
ドゥテルテ氏はさらに「大統領職からは何も得ることがない。人々のために何かを成し遂げたという達成感を除けば、常に働かされているだけのような空しさがある。月給20万ペソと引き換えに引き受ける責任と批判は大きすぎる」と述べ、サラ氏には「今は(市長職から)逃げるな」と伝えたという。
ただし、ロケ大統領報道官は「(大統領は今後の)シナリオ次第では考えを変える可能性もある」とした。
また、大統領の側近中の側近であるボン・ゴー上院議員について「サラ氏が大統領選に出なければ、出馬の可能性がある。ただ、それはドゥテルテ氏が(副大統領候補として)伴走者になった場合だけだ」とも述べた。
ドゥテルテ政権を支える与党連合の中核政党でドゥテルテ大統領が名誉総裁を務めるPDPラバンは、5月末の党員総会でドゥテルテ氏に副大統領への立候補を求める決議を採択。大統領候補としてはPDPラバンはサラ氏かゴー氏のどちらかと組むことを求めている。(谷啓之)