新聞論調
カンボジアが元凶 ASEAN外相会議
マニラタイムズは、中国による領海侵犯に関して、フィリピン政府の立場と対処方法を支持する。また、誤った情報を恥ずかしげもなく広げる、中国政府と中国報道機関を非難する。
フィリピン政府を支持する本紙の意志を示すため、一面にバシリオ外務次官の寄稿記事を掲載した。次官は、国内外の報道内容を訂正している。誤報のほとんどが、我が国に敵意を持つ中国から発信されたものだ。
我々は一貫して「議長国カンボジアの身勝手な会議運営の結果、東南アジア諸国連合(ASEAN)はその存在意義を問われている」と主張してきた。
バシリオ評論を読むと「大半の加盟国がカンボジアを支持し、中国にこびへつらう方針に同調した」という表現が幸いにも、誤っていたことが分かる。
これは、カンボジアと中国が広めた宣伝の類いである。海外メディアは額面通り受け止めた。大多数の外相はフィリピンの立場を支持し、カンボジアだけが中国に追従した。それが真実である。
悲しいし、醜い。カンボジアは冷戦時代に逆戻りし、中国の衛星国になった。中国はカンボジアの財政的後見人なのだ。
バシリオ次官は「共同声明でスカーボロ礁に言及することに賛成したのはフィリピンとベトナムだけ」という中国の宣伝を一蹴した。実際は、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムを含む多くの国がフィリピンを支持したという。
とまれ、議長国カンボジアは妥協案も突っぱね、中国の主張が国際的に受け入れられ、宣伝は成功した。
分断を修復するために、インドネシア外相がマニラに来た。外相によるASEAN諸国歴訪が成功するのを祈るばかりだ。(19日・タイムズ)