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8月21日のまにら新聞から

黒幕が誰かは自明

[ 695字|2006.8.21|政治 (politics)|新聞論調 ]

左派系活動家暗殺事件

 昨年と違って、今年の大統領弾劾裁判の手続きをめぐる下院審議では、人権侵害問題に対する大統領の「犯罪性」が焦点のひとつとなり、与党下院議員たちは難しい状況に直面した。昨年の議論では政治的暗殺は誇張されたものだと主張できたのだが、今回はそう簡単には収まらなかった。全国で相次いでいる人権侵害は大統領弾劾裁判の要件となり得るし、メディアでの取り扱いも無視できなくなったからだ。

 アムネスティ・インターナショナル(政治犯救済国際委員会)も今週、厳しい内容の声明を発表、比での政治的暗殺事件が今年に入って倍増し、反政府武装組織が「報復チーム」を結成すると警告していると指摘した。政府の唱える比共産党に対する「全面戦争政策」が政治的暗殺事件の増加をもたらすとの懸念も出ている。政府の幹部らは、殺された者たちの多くは合法的な左翼運動組織のメンバーを装い、裏で違法な共産武装組織とつながっていると指摘している。これに対しフィロニ大司教が暗殺事件への非難声明を出し、また、米国の上院議員も強い懸念を表明している。

 正義の回復と治安の維持は国家の基本的義務である。諸外国は、アロヨ大統領がこの問題にどう対処するかを強い関心を持って見守っていた。しかし、大統領は左派活動家が暗殺の黒幕の一人とみているパルパラン少将をほめたたえただけだった。これでは大統領の誠実さに不信感を深める人たちが増えてもおかしくない。

 政府に批判的な合法組織に属する活動家やジャーナリストが次々と殺される中、解決に動こうとしない政権を見ていると、一体誰が殺害事件の黒幕なのか自ずと分かろうというものだ。(19日・インクワイアラー)

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