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3月4日のまにら新聞から

政治的成熟を目指せ

[ 715字|2002.3.4|政治 (politics)|新聞論調 ]

前大統領の汚職裁判

 もしエストラダ前大統領が「裁判の審理が不公正」と抗議し自身の弁護を行わず、黙秘を続けたとしたら、私は司法制度が機能不全になったと考える。もし彼が一切の説明を拒否し、証拠や証人を反対尋問しなければ、われわれは彼を裁くことは出来ない。被告を知らずしてどのようにして裁きが可能となるだろうか?

 しかし、われわれはもう一つの別の状況に直面している。前大統領は弁護団を略奪罪に問われた不正蓄財裁判から解任したが、彼自身はメディアを通じて司法制度に対する不信を表明している。争いの場が世論に移された。たとえ公特裁が本人の口を封じても、彼の家族や取り巻きが立場を表明し続けるだろう。

 前大統領は現在、自分の言葉を政治行動に結びつけるスピーチアドバイザーや住民を組織するオルガナイザーを必要としている。しかし、軍や警察に影響力を持つ友人がいて初めて、このような大衆行動は成功するはずだ。大衆から引き離された彼にはそれも難しい。

 今回の解任指示には二つの意図がある。一つは、先にテレビインタビューで銀行口座の偽名「ホセ・ベラルデ」を自分で実際に署名したと口を滑らしてしまった失態から、世論の関心をそらすことだ。もう一つは、裁判所が自分たちの求める請願にこたえるよう圧力をかけることだろう。裁判の進行に関する様々な不服申立てが行われている。その最たるものが、前大統領の米国での外科手術やジンゴイ氏の保釈を求める請願だ。 

 そもそも前大統領を裁く審理が普通の公判のように進むはずはない。政治判断も入り込む。しかし、前大統領を汚職裁判で裁ければ、政治的成熟に向けた大きなステップとなるだろう。(3日・インクワイアラー、ランディー・ダビッド氏) 

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