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9月18日のまにら新聞から

最後の選択の時  

[ 611字|2000.9.18|政治 (politics)|新聞論調 ]

アブサヤフ人質事件    

 エストラダ政権を常に酷評してきたカトリック司教協議会が姿勢を変えた。イスラム過激派、アブサヤフによって誘拐された残る十九人の人質を解放するため、政府が国軍によるアブサヤフへの攻撃に踏み切ることに同協議会は賛同したのである。

 協議会のスポークスマン、カリニョ司教は「政府が武力で(アブサヤフを)攻撃しても、われわれは政府を責めることはできない。それが人質を救うただ一つの方法であるならば……」と明言した。

 多くのフィリピン人と同様、司教らは、身代金目的で誘拐し、虐待した末、殺害するなど暴力的で残虐な行為を続け、国民に恐怖を与え続けるアブサヤフに業を煮やしている。

 アブサヤフによる挑発的な言動にもかかわらず、政府は、人質の身の安全を第一に考えて交渉に臨み、同時に「身代金は支払わない」という方針を維持し続けた。忍耐と駆け引きが多くの人質の解放につながったと言える。

 閣僚らがエストラダ大統領を刺激し、アブサヤフに対する武力行使の決断を促す中、大統領は冷静に対応したように思える。人質の身柄安全のためゲリラとの交渉継続を望んできた。人質の命が最優先だからだ。

 いつまでこの状態が続くのかだれにもわからない。しかし、今やエストラダ大統領は重大な決断を下す時を迎えた。国民の心に平和を取り戻し、アブサヤフによって失った国家の名誉をばん回するためにも、政府には最後の選択を検討する時が来ているようだ。(16日・マラヤ)

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