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5月1日のまにら新聞から

サーカス巡業はいかに       

[ 596字|2000.5.1|政治 (politics)|新聞論調 ]

政府キャラバンの遠征

 いよいよ五月二日から一週間にわたり、エストラダ大統領率いる「サーカス団」の全国巡業がスタートする。

 大統領をはじめ閣僚や芸能関係者からなる一団が、「車上の政府—平和と統一のためのキャラバン」と銘打ち、ルソン島カガンヤン州アパリ町からミンダナオ島東ダバオ州マティ町まで九つの地域に「遠征」、政府への支持を民衆に訴える。

 そのプログラムをみてみると、動物による名演技ならぬ、閣僚や芸能人による演説や歌などのパフォーマンスがいくつか行われた後、大統領が若き頃に出演した映画の上映会も催される。   

 歴代の大統領にはそれぞれのスタイルがあった。たとえば、ラモス前大統領は一九九七年にアジア経済危機による影響で経済が失速するまでは、フィリピンがアジアの新しい経済ミラクルを達成し得るとのロードショー(出し物)を引っ下げて熱心にパフォーマンスを繰り広げた。またそれは特に海外において好評を博した。

 現大統領は、逆に、もっぱら国内向けにエンターテイメントを多用したロードショーに徹するようだ。

 たしかに貧困撲滅を重点に置いたプロジェクトを次々と発表し、それに関連するインフラ整備も進めようとしている。過去6カ月続いた支持率の低下を抑えようと、政府も新しいイメージを作り出そうと必死なのだ。しかし今回の「サーカス」は単なるエンターテイメントに終わらせてはいけない。

(29日・インクワイアラー)

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