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5月1日のまにら新聞から

過激派を灰にせよ     

[ 618字|2000.5.1|政治 (politics)|新聞論調 ]

アブサヤフの誘拐事件

 ここ数日、ミンダナオ島の一地域で起きたイスラム過激派、アブサヤフによる誘拐事件が全世界の注目を集めている。国内テロリストが事件を続発させているため、エストラダ大統領は二十八日、「アブサヤフを灰にしてやる」とタガログ語で警告した。政府首脳も神経をとがらせてきている。

 今回の事件は、同島周辺の限られた地域で起きたにもかかわらず、フィリピン全土がまるでアジア地域の「コソボ」に化したような印象を世界に与えている。ある外国政府機関は、首都圏まで無法状態に陥ったかのごとく自国の旅行者に注意勧告まで行っている。

 たしかに暴力はどんな形であれ、非難されるべきかもしれない。しかし、平和をもたらすためには時には戦争も必要なのだ。この観点からは、二十八日に国軍がバシラン島の過激派の根拠地を掃討したのは賛辞に値する。自国民の人質を出している外国政府も今回の国軍の作戦を支持したと聞く。

 このような状況を解決するためには、国軍や警察などが事件に対してもっと断固とした対策を取ることが必要だ。また議会も、誘拐事件の関与者すべて、つまり誘拐実行犯だけでなく見張り番や人質の搬送に関わった者も含めて、厳罰を課すよう法律を改める必要もある。

 急進的市民組織が首都圏で軍などによる今回の攻撃を非難するデモを行っているが、彼らはテロリストに対して、もっと距離を置いて考えるべきだろう。いかなる社会も過激派の存在を受け入れる余地はない。

(29日・スター)

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