台風ヨランダ(30号)
厚生省と世界保健機関が記者会見を開き、被災地の支援状況を公表
厚生省と世界保健機関(WHO)は13日の記者会見で、台風ヨランダ(30号)の被災地における医療支援の現状と課題を明らかにした。
厚生省とWHOの見解は「迅速に医療支援チームと医薬品を送ることができれば、深刻な健康被害を未然に防ぐことができるはず」という点では一致している。WHOのホール比代表は、課題は被災地での電力不足と通信の断絶とし「支援を行うためには、これらの確保が重要」と話した。
オナ厚生長官は、これまでの支援状況を説明する中で、13日には比の医療支援チームの他、ベルギー、ハンガリー、マレーシア、日本の各国からもチームがタクロバン市入りしたと明らかにした。被災地の一部には、テントを設置し、簡易診療所にしているという。また、雨水や泥水のろ過装置を導入し、水不足にも対応しているという。
現在、感染症などの報告はないが、同長官は「被災地では下痢、レプトスピラ症、インフルエンザなどがまん延しやすい。これらの監視も継続して行っている」と話した。
一方で、遺体を媒体として病原菌が広がる可能性については否定した。「遺体で繁殖するバクテリアは、48時間後には消滅する」とWHOの報道官は説明した。ただ、遺体に直接手で触れると、B型肝炎や結核などの病気に感染するという。