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12月9日のまにら新聞から

災害関連2法に大統領署名 恒久避難所設置、返済猶予など

[ 1040字|2024.12.9|気象 災害 (nature) ]

自治体に恒久的避難所の建設を義務付けることなどを定めた災害関連2法案に大統領が署名

 マルコス大統領は6日、国内の全ての市・町自治体に災害発生時に備えて恒久的な専用避難所を建設することを義務付けた共和国法12076号(安全なフィリピン人のセンター建設法)、および被災した学生や家族による学生ローンの返済を一時猶予することを定めた同12077号(災害または緊急時の学生ローン支払い猶予法)にそれぞれ署名した。全国紙などに公示後に発効する。

 アンガラ教育相は同日、声明を発表し、これまで災害時に公立小学校などが避難所に利用されることが多く、生徒たちの教育機会を奪うことが多い状況だったとし、「この法律は災害対応だけなく公教育に対しても革命的なものである。この法律でわれわれは災害後もただちに学習を取り戻すことができる」として、歓迎の意を表明した。

 現在、教育省では自治体による公立小学校の教室などの施設を避難所に転用することを15日間まで認めるという方針を示している。

 共和国法1207号では、鉱山地質学局や地震火山研究所、比気象庁などが作成するジオハザードマップに基づいて自然災害の影響を受けにくい場所に避難所を建設するほか、耐震基準や毎秒83メートルの強風にも耐える設計にすることが定められている。

 また、避難所にはシャワーや台所、診療所やレクリエーションエリアを設けることに加え、室内の換気を保つ設備の設置も義務付けられている。

 避難所の建設や管理は国家災害対策本部が主導官庁となり、環境天然資源省や公共事業道路省、社会福祉開発省や内務自治省などと綿密に提携することも定められている。

 

 ▽被災の学生を支援する

 また大統領は同日、災害時に学生ローンの返済を一時猶予することを定めた共和国法12077号に署名した際に、「この法律の施行は教育をすべての学生が受けることができるようにする我々政府の努力と調和するものだ」と自信を示した。

 6日付英字紙スターによると、同法の施行に向けて大統領は、特に高等教育委員会と技術教育技能開発庁(TESDA)に対して災害などで財政難に陥り、学業を終えることができないような学生に対する包括的な支援を提供するよう指示を出したとしている。

 上下両院の法案では学生ローンの返済を猶予される条件として、学生が居住する地区の自治体で災害宣言や非常事態宣言が出されることが前提条件となっているほか、返済猶予期間はこれらの災害宣言が解除されてから30日間までとの条項が盛り込まれているという。(澤田公伸)

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