座評軸 比は魅力的な投資先へ生まれ変われるか レッドテープ削減の苦闘から 比大客員研究員・宮川慎司
[ 2695字|経済 (economy) ] 無料これまでフィリピン政府は政策目標の設定には長けているものの、その実施能力に欠けていると言われてきた。しかし...
これまでフィリピン政府は政策目標の設定には長けているものの、その実施能力に欠けていると言われてきた。しかし、近年の政府は実施能力不足に危機感を募らせ、その改善に取り組んでいる。その代表例が、フィリピンにおいて国内外の企業が事業を始めるハードルを下げることである。これまで、企業が事業を開始するにあたっては、様々な行政機関で煩雑な行政手続き(レッドテープ)を行う必要があり、それは企業にとって大きな負担となっていた。政府もその問題を認識しており、2007年に反レッドテープ法(共和国法9485号)を制定するなど、その改善の姿勢は見せていた。しかし、フィリピンではしばしばみられるように、その実施は不十分に終わっていた。