日本人戦犯恩赦
[ 1797字|社会 (society) ] 有料キリノ元大統領関連の文献から、日本人戦犯恩赦の当時の様子を振り返る
15日に70年目の終戦記念日を迎えた日本。東京裁判と並行してフィリピンのマニラで行われたB、C級戦犯の裁判で死刑や終身刑などの判決を受け、首都圏モンテンルパ市のニュービリビッド刑務所に収容された旧日本軍将兵計137人の多くが、1953年に大統領恩赦を受けて減刑され、釈放されている。キリノ比大統領=当時=によるこの「恩赦決断」は、戦後の比日関係を築く上で重要な転換点となった。アヤラ財閥が運営する「フィリピン・ヘリテージ・ライブラリー」(首都圏マカティ市)では、キリノ家から寄贈されたキリノ大統領関連の文献や手紙など数百点が電子書籍化されて公開されている。恩赦を受けた日本人戦犯からのお礼の手紙や、恩赦を問題視する上院議会の記録などを読み解いていくと、終戦後の状況や恩赦を受けた戦犯の心境が時代を超えて浮かび上がってくる。