サバ州領有権問題
[ 1140字|政治 (politics) ] 有料「スルー王国軍」の違法上陸を機に領有権問題が再浮上。背景に和平枠組み合意
マレーシアのサバ州に「スルー王国の軍隊」を名乗るフィリピン人数百人が違法上陸した事件を契機に、1970年代から長らく棚上げされてきた同州領有権問題に再び光が当たろうとしている。背景に指摘されているのは、マレーシア政府の仲介で、比政府と反政府武装勢力モロ・イスラム解放戦線(MILF)が2012年10月に調印した和平枠組み合意。16年に創設される新自治政府「バンサモロ」の領域に関する項目で、サバ州への言及がなかったことに、同州の歴史的領有権を主張するスルー王国の末裔(まつえい)が反発し、「軍隊上陸」という強硬手段に出たとされる。