マニラ脱出、800キロの旅
[ 254字|2020.05.14 ]
「このままでは飢え死にか、コロナに感染するだけ」。ルソン全域の防疫強化実施が発表された3月14日、エルウィン・アララーさん(25)はマニラ市からレイテ州ラパス町の実家まで約800キロを歩いて帰る決断をし、建設現場の同僚数人も加わった。給料は空約束で、財産はコメ半袋だけ。朝5時から午後8時まで歩くパンフィリピンハイウエーの旅は、検問所でなかなか信じてもらえないが、兵士や警官が食べ物をくれることも。2カ月弱で母の元にたどり着き、「農業に戻りたい。生活は厳しいが、ここの方が安全」と語った。(13日・テンポ)