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2月18日のまにら新聞から

金銭より愛を表現する日 バレンタイン

[ 667字|2024.2.18|社会 (society)|新聞論調 ]

 比が命をかけて戦うに値する国であることを私たちに思い出させる英雄の誕生日のように、祝日とは、特定の価値観を共有するためのものだと考えられる。また、時を経て変化し得る文化的な産物であり、その祝日が制定当時に象徴していたものが、現在全く同じ意味を持つ必要はない。

 それを当てはめるならば、バレンタインはあらゆる形の愛を思い出し、愛の価値を祝う日と言えるだろう。ロマンチックな愛に焦点が当たりがちだが、家族で祝ってもいいし、自己愛を祝ってもいい。要は愛を表現する日なのだ。

 現代のバレンタインは非常に消費主義的な方法で祝われる。市場の花は値上がりし、レストランはカップル向けのプロモーションを打ち出す。私の地元の焼き鳥店でさえ、追加100ペソで料理をハート型の缶に入れてくれる。

 価値観に基づいて祝うなら、飾り立てる必要はない。チョコレートや花は素敵で感謝の気持ちを伝える方法かもしれないが必須ではないし、愛を祝うために大金はいらない。

 祝日の社会的な目的が、進化する価値観を思い出させることだとすれば、ルーツがどうであれバレンタインが愛に基づくキリスト教に反するわけがない。信仰に従って愛を祝うことができるし、愛を示すために断食をする必要も、贅沢な表現やプライドに駆られる必要もない。また、その祝日が自分の価値観に合わなければ祝わないという選択もある。

 自分にとって大切な祝日を個人的に意味のあるものにすることで、過度な義務感なしに、もっと自由に祝えると気づくだろう。(15日・インクワイアラー、アンナ・トゥアソン)

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