デング熱ワクチンをもう一度 国内のデング熱感染者大幅増加で
国内17地域のうち、すでに15地域でデング熱感染が拡大しており、感染症の専門家はデング熱ワクチン使用の再検討を提唱している
国内17地域のうち、すでに15地域でデング熱感染が拡大しており、感染症の専門家はデング熱ワクチン使用の再検討を提唱している。
比はかつて全国およそ80万人の学童に対して世界初のデング熱ワクチン(デングバクシア)を投与し、複数人に死者が出たことなどから同ワクチンの使用を2018年に中止した。保健省は19年、上院議会で同ワクチン接種を直接の原因とする死者は出ていないと発表。
しかし、製薬大手サノフィパスツール社はデング熱の既往歴が無い人に投与すると、感染症を重症化させる可能性について同ワクチンの研究開発後に発表し、議論を呼んだ。
デング熱ワクチンの使用検討の提唱に対し、保健省は専門家らの意見を取り入れた包括的な研究が必要と述べた。
同省はポリオや麻しん(はしか)を含む多くの予防可能な小児疾患に対する政府のワクチンプログラムに反対する人々の批判・意見ではなく、本物の感染症の専門家や研究者らの意見を確実に取り入れるべきだ。
今年1月1日から6月25日までの全国デング熱感染者数はおよそ6万5千人に上る。前年同期の3万4千人と比べて90%増加。この増加幅はコロナ規制の緩和により人の動き、特に子供たちが流動的になったことが大きい。そして対面授業が再開するにつれて、さらに感染者数は増えることが予測される。
重症化対策のワクチン無しで政府はこれまで4S運動=蚊の繁殖地の探索・根絶、蚊との接触を防ぐ、早期発見・治療、殺虫剤の散布を啓発する運動=に力を入れてきた。しかしながら、他にも健康を促進する方法があるのならば、政府は方針を見直すべきだ。
デング熱ワクチンは現在、20カ国で使用されている。(14日・スター)