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6月19日のまにら新聞から

経済危機を食い止める ボンボン次期政権、直近の課題

[ 875字|2022.6.19|経済 (economy)|新聞論調 ]

フィリピンは高インフレの長期化に直面している

 フィリピンは高インフレの長期化に直面している。生活必需品、特に食料と石油の供給に悪影響を及ぼす世界的な問題に巻き込まれている。

 政府は5月のインフレ率が5.4%に上昇したと発表した。これは、主に石油価格と米価の高騰によってもたらされた。そして状況をさらに悪化させているのは、2年以上続く新型コロナパンデミックのために、政府がその対策資金として国内外から積極的に借金を繰り返したことだ。そしてついに、世界中の中央銀行が歴史的な低水準まで下げていた金利を引き上げ始めたのである。政府は、多額の借金を抱えているため、金利の上昇はこれらの返済額を引き上げることになる。

 ボンボン・マルコス次期政権は税率の引き上げ、新税の導入などを行ない歳入を増やすことをできるだけ早く実行すべきである。これが達成されなければ、国の債務レベルは高止まりし、政策の実行における選択肢が狭まりかねない。

 インフレ率を引き下げるためには、食料価格の高騰を改善するために、痛みを伴う構造改革が必要になるだろう。次期政権は、輸入牛肉、豚肉、鶏肉、そして重要な飼料であるトウモロコシに一律の低い関税率を課すという、議会で停滞している法案を再提出するべきだ。現状では、フィリピンはタイと比べて豚肉の価格が2倍以上、ベトナムと比べて73%も高くなっている。また、鶏肉もタイの2倍以上、ベトナムの44%以上の高価格になっている。

 こうした改革と並行して、政府は輸入関税の引き上げで得た資金を、影響を受ける分野の小規模農家や起業家に還流し、価格競争力を高めるよう支援する必要がある。米の関税化法の経験と同様、こうした改革は影響を受ける部門に短期的な痛みをもたらすが、価格の引き下げによって何百万人もの消費者に利益をもたらすことになる。

 税制改革はボンボン氏が、支持者のみではなく広範囲の国民の間でマルコス家の名誉回復を望むのなら、必ずなさねばならない直近の課題の一つであろう。フィリピンの経済回復なくして、いかなる政策も不完全なものとなるだろう。(15日・インクワイアラー)

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