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1月8日のまにら新聞から

強い国を造るには 徳を社会の隅々に

[ 764字|2021.1.8|社会|新聞論調 ]

 日本を旅行し、美しい都市と高層ビル群を見るたびに思うことは「この国を強くしているものは何か」との問いである。

 この問いが心に浮かぶと、旅行の喜びが失せる。それは我が国の現状を考えてしまうからだ。日本の強みは、日本人が道徳的、社会的な価値、すなわち徳を大切にしているからだと思う。日本文化を形作ってきた儒教は、正しい行いを勧め、徳を育むことを重視する。徳は日本人の性格の核にあり、日本が課題に取り組み、国家として立つ力を与えている。

 チェコ共和国初代大統領のヴァーツラフ・ハヴェル氏は「共有され人々に定着した徳と責任感がなければ、法も、民主的政府も、市場経済さえも適切に機能することはない」と語った。我が国は、汚職、貧困、対立で満ちている。この不幸な状況を徳の力を用いて克服していこうではないか。

 徳とはいったい何なのか。徳とは正邪の基準である。それは人間関係を律し、社会での義務を示す。それは正直、信頼、敬意、忠誠、誠実などだ。我が国の問題は、その不運にあるのではなく、私たち自身にある。キリスト教徒が多数を占める国として、徳は重んじられているはずながら、人々の間に、盗み、隣人への不遜、うそ、欺きが満ちていることは道理に合わない。徳を真剣に受け止めなければ、強い国になることはおろか、国として立つことすらできないだろう。

 課題は、自分たちの間に徳の重要性を教化し染み込ませることだ。政府、教会、学校、メディアなどの機関が協力して悪い行為をなくす取り組みを進めることだ。そのため汚職をなくす法律やプログラムを作り、資金も投入することだ。汚職をなくせば資金は出てくる。教育にも力を入れることだ。それは、後世への遺産となり、真に強い国を造ることに役立つことだろう。(1日・インクワイアラー、ジュリウス・トゥルガノ)

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