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11月15日のまにら新聞から

油断から想定外の被害に 台風ユリシーズ

[ 631字|2020.11.15|社会|新聞論調 ]

 人々の意識は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(大流行)に集中し、台風を軽視している。今月1日にルソン島南部を横断したスーパー(猛烈な)台風ロリー(19号)による被害が首都圏では少なかったことから、人々の心に油断が生まれた。

 11日深夜、ルソン島に上陸した台風ユリシーズ(22号)は、ロリーよりも弱い台風だった。国家災害対策本部は事前に首都圏と近隣州に洪水や地滑りの警報を出し、地方自治体は住民に避難所への避難を促し、比気象庁は首都圏に強風警報3(最大5)を発令した。

 しかし、直近の経験から警告を軽く受け流した人々も多かった。ユリシーズが首都圏を襲った12日未明、川の水位は急速に上昇。強い風の音や激しい洪水により、人々は目を覚まし、屋上や2階への避難を余儀なくされ、テントを備えた避難所も瞬く間に満杯になった。

 多くの地域に被害を与え、停電復旧に約10時間を要した。洪水に見舞われた地域では、水位が下がるのを待たなければならない。停電で水をくみ上げるポンプも使えず、子供たちはオンライン授業を受けることもままならない。洪水の被災者は、2009年に首都圏を直撃した台風オンドイよりもひどかったと話す。

 被害を受けやすい地域の住民は、避難中に空き巣に狙われる恐れがあり、迅速な避難を促すには治安の確保が必要だ。比気象庁は、年内に少なくとも3つの台風が比に上陸すると予測している。ユリシーズを教訓にして備えなければならない。(13日・スター)

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