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11月6日のまにら新聞から

OFWを奴隷扱いするな 比大使のメイド虐待

マウロ駐ブラジル比大使は、人と良い関係を構築し、維持することが自分の職務の核心であることを忘れていたと見える。

[ 768字|2020.11.6|社会|新聞論調 ]

 マウロ駐ブラジル比大使は、人と良い関係を構築し、維持することが自分の職務の核心であることを忘れていたと見える。いじめっ子のようにではなく、気配り、繊細さ、器用さをもって絶えず行動すべきことを意識していなかったのだろう。彼女がメイドを繰り返し虐待する監視カメラの映像を地元テレビ局が暴露した。こともあろうに、比大使が海外比人就労者(OFW)のメイドをたたき、平手打ちし、モップなどを投げつける映像が世界中に拡散したのだ。

 この事件は、新型コロナウイルス感染症の流行でブラジルから何千人ものOFWが帰国を余儀なくされた最悪の時に起きた。コロナ禍の発生以来、世界210万人のOFWのうち10万人以上が帰国している。ブラジルは2億1100万人の人口を持つ南米最大の国だ。2日現在、米、インドに次ぐ世界3位の550万人余りのコロナ感染者を抱えている。

 ドゥテルテ大統領が事件の調査を命令。ロクシン外相も、虐待について厳しい調査を約束した。

 海外比人省創設を求めているゴー上院議員は、マウロ大使による虐待を厳しい言葉で非難し、「彼女は大使として国と大統領を代表する立場にある。その行為は、外交官にふさわしくなく、名誉を汚した」と語った。 

 関係当局はこの事件にとどまらず、深部にまで踏み入って調査すべきだ。大使、領事、大使館付の労働・観光担当官が犯している虐待のほんの一部、氷山の一角かも知れない。すぐに思い出したのが、2013年にベリョ下院議員(当時)が暴き出した事件だ。クウェートの比大使館付労働担当官数人が比への帰国手続きを進める見返りに女性OFWに性行為を要求していたのだ。

 マウロ大使によるメイドへの虐待が映し出しているのは現代版奴隷たちの苦境だ。終わらせねばならない。(3日、スタンダード、アーウィン・トゥルフォ)

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