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11月1日のまにら新聞から

マルコス政権と似た状況 「共産主義者」排除

[ 642字|2020.11.1|社会|新聞論調 ]

 共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)と国軍との戦闘が再び激化している。最近のアブラ州の交戦では国軍兵士2人がNPAに殺され、4人が重傷を負った。大統領は当初、誠意を見せれば、NPAとの紛争も解決に持ち込めると考え、解決できないのはNPA側の責任としてきた。だが、実際は双方が現場で和平交渉を妨害していたと私は見ている。

 こうした中で、国軍による民間人に対する「共産主義者」のレッテル張りには少々困惑してしまう。ドゥテルテ政権によるNPAメンバーとその「共犯者」のリストは膨れ上がっており、女優のライザ・ソベラノさんやエンジェル・ロクシンさんまで含まれるからだ。

 もちろん2年前に政府とNPAとの間で和平交渉が決裂して以来、活性化した偽装団体はあるだろう。情報を隠し、巧みにねつ造することにたけたテログループに対し、政府は信ぴょう性を問われるジレンマを抱えたまま、攻撃性ばかりを露わにしてきた。ソベラノさんのような人物を国軍が警告することは、社会に不必要な不安と煽動の芽を植え付けることになる。

 故マルコス大統領はかつて、多くの大学で左翼学生を排除するため、残虐なキャンペーンを実施し、結果的に「NPAゲリラの最大の勧誘者」になった。過激派ではなかった教会や市民団体、社会団体の穏健派メンバー数千人を標的としたために、追い立てられ、居場所を失った人たちがNPAに加わらざるをえない事態となった。当時と似た状況に危惧を感じてしまう。(10月27日・マラヤ、ドディー・ラクナ)

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