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9月11日のまにら新聞から

長く続くウイルスとの共生 対策を見直すべき時

[ 779字|2020.9.11|社会|新聞論調 ]

 フィリピン大学の数学教授で、同大学研究者グループ「OCTAリサーチ」研究員でもあるギド・デービッド氏は6日、比国内の新型コロナウイルス感染力の指標となる基本再生産数(R0)が1を下回り、感染者数の上昇カーブが平坦化したと述べた。同再生産数が先週の0・99からさらに0・94へと下がったというのだ。

 経済活動を拡大し、新しい生活へと移行しようとする際、この値に注意を払う必要がある。値が1以下、つまり現在1人の感染者が1人よりも少ない感染しか引き起こさないと、この感染症は減少傾向をたどり、ついには無くなる。これが1だと状態は安定、感染も継続。1以上だと、感染爆発を引き起こす危険があるのだ。

 平坦化と言っても、新規感染が1日7千人ほどでピークだった8月中頃から、8月末にかけて4千人に減少し、9月初旬にやっと3千人水準に落ち着いたに過ぎない。

 しかも、このウイルスは近い将来無くなるというものではない。一般的な風邪、インフルエンザ、肺炎と同様、このウイルスと共に生きることを学ばなければならない。ただ当初言われていたほど、このウイルスの死亡率が高くないことがわかってきている。比国の死亡原因を統計でみると、最近1日あたりの死者数は、肺炎またはインフルエンザが211人、心臓病233人、脳卒中など167人、がん178人、自動車事故33人、自殺19人の一方で、新型コロナウイルス感染症は20人となっている。比のこのウイルスでの死亡率は世界平均より常に低く、感染者中の致死率も低い。防疫封鎖から6カ月を迎える今、対策を見直すべき時が来ている。

 たとえコロナ禍の中にあっても、我々は恐れて生きる必要はない。新しく妥当な生活様式に従い、適切なルールを守って、他人への思いやりを持ちつつ生きることは可能だ。(7日、スタンダード、ジョナサン・デラクルス)

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