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9月27日のまにら新聞から

「白い紫イモ」でいいのか 気候変動に断固とした行動を

[ 795字|2019.9.27|社会|新聞論調 ]

 ウベ(あの紫色のヤムイモ)が白くなることがあるだろうか? お土産の定番として有名なウベジャムを作っているのは、バギオ市の修道院グッド・シェパードのシスターたちだ。だから原料が白くなったとしても、人々は信じてしまうだろう。実のところ、この修道院に原料を供給してきた農家がウベを生産できなくなり、仕方なく白いヤムイモを原料に使わざるを得なくなったのだ。つまり「白ウベジャム」は、産地であるコルディリエラ地方の環境の劣化を思い出させるものとして、人気が出るかもしれない。

 この月曜日、ニューヨークの国連本部での国連気候行動サミットで、16歳のスウェーデン人学生グレタ・トゥンベリさんが世界の指導者を叱りつけた。そして15人の若者たちとともに、気候の危機を引き起こし、長引かせているとして、5カ国の政府を相手どって、子どもの権利救済申し立てをした。名指しされたアルゼンチン、ブラジル、フランス、ドイツ、トルコは気候変動に最悪の影響を与えている国々ではないが、対策が取られなければ未来と若い世代の命が危機にさらされるというメッセージを、この申し立ては伝えた。

 専門家によると、フィリピンは気候変動の影響を最も受ける国だ。勢力の強い台風が予想外のコースを取ることも最近は多い。深刻な干ばつが農家を苦しめ、食の安全保障が脅かされる一方で、洪水や地滑りも多発し、死者が増え、故郷を追われる者も多い。海水温の上昇で、海洋生物のゆりかごであるサンゴは死滅している。

 これまで気候変動に起因する非常に多くの災害が起きてきた。それでも国連で「あなた方はよくもそんなことを!」との言葉を発したトゥンベリさんが述べたように、気候変動への取り組みは失望するような状態のままだ。

 地球に生きる者は皆、気候変動に立ち向かう役割を担っている。断固とした行動を起こすのは、今からでも遅くない。(25日・スター)

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