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5月10日のまにら新聞から

助けを求めるのは恥じゃない 自殺防止の電話相談窓口

[ 761字|2019.5.10|社会|新聞論調 ]

 最近まで精神医療の問題は単なる冗談として扱われてきた。精神疾患を罹った人の多くが、その病態ゆえに、自殺に追い込まれるのを誰も理解していなかったのだ。しかし今日、著名人や学生たち、はては高校生までが相次いで自殺するようになり、議会が2017年に国家精神医療法と呼ばれる共和国法第11036号を通過させたほど、その問題に対する警告の度合いが強まってきた。

 先週、厚生省傘下の全国精神医療センターが、そのような精神疾患患者の相談や、自殺を防ぐために全国電話相談窓口である電話ホットラインを開設した。同省などによると、フィリピンの国民の4%弱に当たる、約350万人が精神病をわずらっており、自殺率も人口10万人当たり3・2人になると推定されている。フィリピン人は世界で最もストレスを感じている国民だという最新調査結果も出たばかりだ。

 この問題は世界中の関心事なのである。今や世界の人口の15歳から29歳までの若年層の死因の1番は自殺だ。自殺予防に関わる財団によると、最年少は7歳の子どもが自殺したケースだという。今回の電話ホットラインは、うつ病や自殺願望を持つ人だけでなく、違法薬物や家庭内暴力に直面している人の相談にも乗る。全国精神医療センターによると、今回のホットラインはこれまでのものと違い、電話相談にあたる人員がさらに拡充され、24時間体制で対応にあたるという。

 ドゥケ厚生長官がこのホットラインの目的をうまく表現している。

 政府はこのホットラインを通じて「精神医療の問題を抱えているのは君たちだけではない」というメッセージを送るのだという。「オッケー(大丈夫)でないことはそれ自体、オッケーなのだ」「回復するチャンスはある。人に助けを求めることは決して恥ではない」と同長官は訴えている。(6日・スター)

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