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2月8日のまにら新聞から

にせ狂犬病ワクチンから人々を守れ 当局はさらなる取り締まりを

[ 782字|2019.2.8|社会|新聞論調 ]

 フィリピン食品医薬品局(FDA)はこのほど、国内で製造され、いくつかの病院に販売されているとみられる、にせの狂犬病ワクチンの調査を始めた。世界保健機関(WHО)が最近、比国内で偽造の狂犬病ワクチンが出回っており、健康被害を引き起こすことも考えられると警告していたのだ。

 この製造業者は、おそらく、世界的な製薬大手サノフィ社のワクチン部門である、サノフィパスツールのワクチン「ヴェロラブ」を独自で分析し、その成分と配合をコピーして偽造品をつくったのであろう。それならば、安全性も効き目も本物と同等でありうる。とはいえこの行為は知的財産権の盗用にあたり、サノフィパスツールに訴えられるだろう。

 同社は、アキノ政権下の終わりに接種が始められたデング熱ワクチン「デングヴァクシア」の製造業者でもあり、これに関しては未だ係争中である。83万もの比の児童がこのワクチン接種を受けたが、命に関わるような出血熱を経験したことのない人には有害になりうることが判明したのである。このワクチンへの恐怖感から、全てのタイプのワクチン接種についても利用者が急激に減少してしまった。

 今回のWHОの警告は、この不安をさらに悪化させるだろう。衛生当局は、にせの狂犬病ワクチンは43か所の病院に流通しており、ワクチンはすでに2人の患者に投与されたとしている。

 今回の問題を医薬品の検査の厳格化につなげるべきだ。FDAは、輸入品や国産の医薬品の安全性を保証する能力を大いに高める必要がある。にせのヴェロラブを製造・販売した者が法の裁きを受けるようにしなければならない。

にせのワクチン接種で健康被害が引き起こされる可能性があるだけでなく、人々はワクチン自体に恐怖感を抱いているのだから。安全なワクチンを接種していれば防げた病気で死者が出るかもしれないのだ。(4日・スター)

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