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1月13日のまにら新聞から

今度こそ浄化達成を マニラ湾汚染問題

[ 651字|2019.1.13|社会|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領はビサヤ地方の観光地ボラカイ島の環境改善を6カ月で成し遂げた「勝利の美酒」に酔っているのだろう。2019年1月から5年間で、同じようにマニラ湾の環境対策をやり遂げると宣言してしまった。しかし、マニラ湾の改善はボラカイ島よりもはるかに困難と言えるだろう。

 第一に、マニラ湾はスペイン統治下の16世紀以前からすでに「肥だめ」だった。同湾は国内や近隣諸国との交易の中心地で、同時に工業や外国人旅行者も集まり、工場やホテルから出る汚水が流れ込んできた。

 美しいことで有名なマニラ湾の夕日も大気汚染や高波で打ち寄せるごみの山でかすんでしまう。これまで、民間によるマングローブ植樹の試みや、上院によるマニラ湾清掃命令もあったが、問題解決には何の効果もなかった。シマツ環境天然資源長官は「マニラ湾の水は安全基準の3倍以上の大腸菌を含んでおり、まさしく肥だめだ」と指摘する。

 しかし大統領は、湾沿いのホテルや商業施設に「下水処理設備を備えなければ、営業させない。冗談だと思わないほうがいいぞ」とドゥテルテ節をさく裂させた。また、大統領府は廃止の決まった道路委員会の保有金450億ペソを環境対策に充てようと目星を付けている。

 マニラ湾の改善はドゥテルテ政権で最大の環境課題だろう。大統領の乱暴な物言いに文句を付ける者もいるが、私の考えでは、もはや耳あたりの良い言い訳は不要なので、ぜひとも大統領にマニラ湾浄化をやり遂げてもらいたいと思う。(11日・マニラタイムズ、ジョジョ・ロブレス氏)

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